日本人男がフィリピン国籍の未成年の女性を胎児認知するために必要な書類について:(前夫死別)
Q 日本人A男が婚姻関係にないフィリピン人B女(日本人C男と婚姻歴有るがC男は死亡:本国に未登録)の嫡出でないD子を胎児認知したいと相談がありました。
婚姻記録証明書は5か月前のものです。
添付書類は何が必要でしょうか。
疑問点は二つでてくると思います。
一つ目は、婚姻記録証明書は5か月前のものでいいのか?
二つ目は、配偶者であるC男が死亡した後の婚姻の効力についてどうなるのか?(直感ではわかりますが…)
A まず、一つ目については、原則は取り直した方がいいと思います。でも、市区町村で特段疑義がなく「いける」と思ったら受理していいのでは?と思います。
二つ目については、フィリピン民法第84条で「夫が死亡した場合は300日を経なければ未亡人に対して婚姻許可証が与えられない。」という規定があります。
したがって、フィリピン人B女が他の日本人男性と再婚する場合の対婚期間については、フィリピン民法第84条に準じて取り扱うこととなり、死別後300日経過していることが必要となります。
日にちうんぬんよりも、死別なら再婚できるのです。
死別で婚姻が解消されるという直接的な規定は見つけることができませんでしたが、以上により、死別で婚姻が解消されるとみることができるでしょう。
D子が嫡出子かどうかは、フィリピン家族法第168条で、「前婚の終了後300日以内でかつ後婚の成立後180日を経過する前に子が出生した場合は、子が前婚中に懐胎したものとみなし、〜〜」とありますので、死別から300日以内でなければ、非嫡出子であり、認知が可能となります。
よって、C男と離婚後300日を経過してからD子が出生している必要があります(フィリピン家族法第164条第1項、第169条)。
必要な添付書類は以下のとおりです。
B女の国籍証明書
B女の婚姻記録証明書(ただし、C男との婚姻の記録がされていなければならない。)
C男との婚姻・士別事項が記載されている戸籍謄本
母からの申述書
なお、婚姻記録証明書にどのような記載がされているかは取得するまで不明であり、その内容によっては、受理できないこともありますので、併せて本国で離婚の登録をしておき、独身証明書を取得する準備をしておくのが、ベターでしょう。
(戸籍誌881-56、戸籍誌708-58、おこ85-30)
※法令・通達等は変更することも頻繁にありますので、最新の取扱いは自ら調べてください。
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