「虎」と「 」(下の部分が「𠘨」になっている虎)は「著しい差異のない字体」に該当するかどうか?
Q 「虎」と「 」(下の部分が「𠘨」になっている虎)は「著しい差異のない字体」に該当するでしょうか?
著しい差異のない字体ってあまり聞かないですよね。
とても難しいと思います。
A 平成2年10月20日付け民二5202号通知第3の2に具体例がいろいろあげられています。
まずは,そこに該当するのかを考えてみることです。
ところが,この「 」(下の部分が「𠘨」になっている虎)はどうもこの例に当てはまらないようです。
次に,ここにあげられていない文字である場合はどのように調べるかですが,
戸籍に記載の字体が康煕字典体であるかどうかを確認することです。
ここで,戸籍に記載されている文字が康煕字典体でなければ,「著しい差異のない字体」には該当しないということになります。
逆に,戸籍に記載されている文字が,康煕字典体で,これに対応する通用字体が常用漢字表において括弧書きが添えられていない字体である場合には,「著しい差異のない字体」ということになります。
今回の場合は正字から正字への更正ということになりますね。
新大字典を引けば,これらの文字間の関係は「同字」に該当するとされています。
ここで,正字から正字への更正ということであれば,申出があっても筆頭者の氏と同じ氏しか更正できません。
著しい差異のない字体であれば,筆頭者の氏と呼称を同じくする氏すべて(従前戸籍,父母欄など)更正できるのと違いが生じるので注意する必要があります。
※法令・通達等は変更することも頻繁にありますので、最新の取扱いは自ら調べてください。
また、私見ですので、この掲載内容に誤りがありましても、一切責任は負いかねますので、自己責任でお願いします。
私もしばしば間違えることがあります。
戸籍569−85,むずかしくないぞ誤字俗字正字P54,61,70,93
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